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2009年2月

タブノキ

Tabunoki Tabunoki2

名称・・・椨の木(Red laurel)

その他呼び名・・・犬楠(イヌグス)、タマグス、タブ、ダマ、ダモ、クスダモ、アカタブ、シロタブ、(*1)

科目・・・クスノキ科タブノキ(Machilus)属・常緑広葉樹・散孔材・離弁花類(被子植物)

学名・・・Machilus thunbergii  Sieb. et Zucc.
シノニム:Persera thunbergii  Kosterm.

産地・・・本州南部から四国、九州、沖縄に自生、瀬戸内海地方には生育していない。朝鮮中南部や台湾、中国にも分布。

色調・・・心材は紅褐色、帯黄紅褐色。辺材は灰白色、淡褐灰白色、淡黄褐色。

性質・・・木理:やや交錯~交錯、辺心材の境目:明瞭(~不明瞭)、肌目:粗、硬さ:軟~硬、腐食耐久性(耐朽性):中~強、磨耗耐久性:強

  • 気乾比重: 0.50~0.65(平均値)~0.77
  • 平均収縮率%(柾目方向):0.17
  • 平均収縮率%(板目方向):0.36
  • 曲げ強度MPa:69
  • 圧縮強度MPa:39
  • せん断強度MPa:11.8
  • 曲げヤング係数GPa:8.8

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):中~やや困難、鉋掛(カンナガケ):中~やや困難、釘打保持力:強、糊付接着性:不良、乾燥:中~困難、塗装性:中

用途・・・造作材、家具、合板
器具材、床板、枕木、木魚

価格・・・☆☆?

  • 無節材(2000x210x34㎜)--/㎥

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・

その他・・・用途はクスノキと同じ。樹皮はタンニンを含み黄褐色の染料にもする。線香材料の杉粉を固める粘質材として椨粉(タブノキの樹皮から採る)が使われる。

  • 【その他色調等】: 斑の模様不鮮明。如鱗杢(じょりんもく)や玉杢の出やすい木で、瘤杢(こぶもく)は美欄(びらん)とか舞葡萄(まいぶどう)と賞されて、花台などの装飾品に使われ人気がある。小口面の年輪はおおむね明瞭だが、柾目・板目面ではやや不明瞭。材の赤みが強いものをアカタブ、赤みが少ないものをシロタブと呼ぶ。
  • 【その他性質等】: アカタブの方がシロタブよりも良質材とされる。割裂性は小さい。
  • 【その他加工等】:仕上がりは中程度。
  • 【立木での性質等】:主に、暖地の海岸地方に生え、樹高15~20m、樹径1.0mに達する。

*1:中国名では「楠」みたいです。

タウン

Taun Taun2

名称・・・タウン(Taun)

その他呼び名・・・マトア、カサイ、マルガイ、ソロモンマホガニー、ニューギニアマホガニー、蕃竜眼(バンリュウガン)

科目・・・ムクロジ科ポメティア(Pometia)属・常緑広葉樹・散孔材・離弁花類(被子植物)

学名・・・Pometia pinnata Forst.

産地・・・台湾、スリランカを含む東南アジアからパプアニューギニア、ソロモン諸島を経てサモアに分布。

色調・・・心材は桃褐色から濃赤褐色。辺材は淡い褐色から赤褐色、灰白色。

性質・・・木理:通直ないし、やや交錯、辺心材の境目:やや明瞭~明瞭、肌目:やや粗~粗、硬さ:硬、腐食耐久性(耐朽性):中~強、磨耗耐久性:強

  • 気乾比重: 0.58~0.79
  • 平均収縮率%(柾目方向):0.21
  • 平均収縮率%(板目方向):0.27
  • 曲げ強度MPa:101
  • 圧縮強度MPa:44
  • せん断強度MPa:11.3
  • 曲げヤング係数GPa:12.3

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):容易~やや困難、鉋掛(カンナガケ):容易~注意、釘打保持力:強、糊付接着性:良好~中、乾燥:困難、塗装性:中

用途・・・造作材、家具、合板
床板、キャビネット、椅子・テーブルなどの脚物家具、屋内用構造材

価格・・・☆?

  • 無節材(2000x210x34㎜)--/㎥

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・

  • 平割:34㎜

その他・・・およそ3樹種あるが、材質が似ているため一括してタウンと呼ばれている。但し今では樹種は1種で、材質の違いは環境などの因子によるものと考えられている。「タウン」はパプアニューギニアからソロモンでの呼び名。インドネシアのカリマンタン方面では「マトア」と呼ぶ。日本への入荷はパプアニューギニアやソロモン諸島からが多い。メランチなどのように大量には得られない。日本の家具工業は、かつて大量のブナを材料として使ってきていたが、ブナの枯渇に伴ってその代替として、このタウンが取り上げられるようになった。また腐食や磨耗に強いことや、木目や色調が似ていることからマホガニーの代替材としても使われる。

  • 【その他色調等】:斑の模様不鮮明。独特の光沢を有し、時に柾目面にリボン杢が現れる。
  • 【その他性質等】:一般に、丸太の形が悪いことが多い。マトアの材質はタウンより少し柔らかく、疎で波状木理もあまりない。
  • 【その他加工等】:表面の仕上がりは良好。釘を打ち込んだ際に損傷が出易いため、工夫が必要。乾燥時に反りや落ち込みが出やすい。
  • 【立木での性質等】:樹高30~40m、樹径0.7~0.8m。

セプター

Seputa_2 Seputa2_2

名称・・・セプター(Sepetir)

その他呼び名・・・セペチール、セペティア、スーパ(フィリピンでの呼び名)、シンドラ(シンドール)(インドネシアでの呼び名)、セプターパヤ(セペチールパヤ)

科目・・・マメ科シンドラ(Sindora)属、プセウドシンドラ(Pseudosindora)属・広葉樹・散孔材・離弁花類(被子植物)

学名・・・Sindora spp. (Sindora coriacea Prain.などを含む)(*1)、
Pseudosindora palustris Sym.

産地・・・マレーシア、インドネシア、フィリピン、ブルネイ、タイ、カンボジアなどに分布。

色調・・・心材は紅色を帯びた褐色から黄褐色、桃色を帯びるものから濃い赤褐色になるものまである。辺材は麦藁(むぎわら)色。

性質・・・木理:通直~浅く交錯、辺心材の境目:やや不明瞭~明瞭、肌目:やや緻密~やや粗、硬さ:やや硬~硬、腐食耐久性(耐朽性):中~強、磨耗耐久性:強

  • 気乾比重:0.57~0.76(*2)
  • 平均収縮率%(柾目方向):0.13
  • 平均収縮率%(板目方向): 0.26
  • 曲げ強度MPa:91
  • 圧縮強度MPa:46
  • せん断強度MPa:13.5
  • 曲げヤング係数GPa:14.4

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):中~やや困難、鉋掛(カンナガケ):中~やや困難、釘打保持力:弱、糊付接着性:良好~中、乾燥:中~困難、塗装性:中

用途・・・造作材、建具、家具、合板
床柱、フローリング、内装材、装飾用材、突き板、トラックのボディ、銃床

価格・・・☆?

  • 無節材(2000x210x34㎜)--/㎥

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・

その他・・・Sindora属はマレーシア、タイ、カンボジア、フィリピン(スマトラ島、ボルネオ島、スラウェシ島、ジャワ島)などに分布していて、約20種が知られている。Pseudosindora属の場合は1種がマレーシアのサラワク州の海岸に近い地域に分布しているのみである。Sindora属とPseudosindora属(セプターパヤ)は良く似ているが、Sindora属の木材には軸方向細胞間道(樹脂道)があり、それが同心円状に配列しており、一方Pseudosindora属は軸方向細胞間道(樹脂道)を持たないので区別できる。両者ともセプターと呼ばれて、同類の木材として取り扱われることが多い。

  • 【その他色調等】:樹種によっては、濃色の縞があり美しい材面を持つことがある。また樹種によって心材の色が違っている。木目はつんで綺麗だが交差木目が細かくある。斑の模様不明瞭。生材の美しい木目は空気に触れると黒ずんでくる。わずかに光沢を有し、リボン杢も現れる。
  • 【その他性質等】:材面に油性の感触がある。 強度はヒッコリーと同等。樹脂道があるこどで、一般に横断面にヤニが滲み出ていて、濃色のしみになっている。保存性は樹種により差があり、濃色で重硬なものほど高いとされている。広い辺材を持つ。
  • 【その他加工等】:人工乾燥は容易だが、時間をかけてゆっくり乾燥させないと木口に割れが生じやすい。釘打ちによっても割れやすい。切削時、木に含まれるゴム質が絡み刃物の切れ味を損ねる。表面の仕上がりは良好。
  • 【立木での性質等】:樹高30~45m、樹径1.2m。幹は通直で円筒状をなし、著しい根張りはない。

*1:その他Sindora affinisSindora echinocalyxSindora parvifoliaSindora siamensisSindora velutinaCopaifera palustrisCopaifera spp. 等もセプターと呼ばれるようです。
*2:Sindura spp.の値。樹種により幅があり、0.83(Sindura supa Merr. )、0.64~0.72(セプター、パヤ)などの数値もあるようです。

サワラ

Sawara Sawara2

名称・・・椹(*1)(Sawara cypress、Sawara cedar)

その他呼び名・・・

科目・・・ヒノキ科ヒノキ(Chamaecyparis)属・常緑針葉樹・裸子植物

学名・・・Chamaecyparis pisifera Endl.

産地・・・本州北部から中部、中国地方を経て九州に至る。長野県木曾地方、岐阜県飛騨地方などの本州中部の山岳地帯に多い。

色調・・・心材はくすんだ黄褐色、帯黄淡褐色、紅色を帯びた黄褐色。辺材は白色、黄白色。

性質・・・木理:通直、辺心材の境目:明瞭、肌目:緻密(~ヒノキと比べるとやや粗)、硬さ:軟~中、腐食耐久性(耐朽性):中~強、磨耗耐久性:中

  • 気乾比重: 0.28~0.34(平均値)~0.40
  • 平均収縮率%(柾目方向): 0.09
  • 平均収縮率%(板目方向): 0.22
  • 曲げ強度MPa:54
  • 圧縮強度MPa:32
  • せん断強度MPa:4.9
  • 曲げヤング係数GPa:5.9

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):容易、鉋掛(カンナガケ):容易、釘打保持力:弱、糊付接着性:良好、乾燥:容易、塗装性:中

用途・・・造作材、建具、家具
器具材、桶、障子・襖(ふすま)の組子の材、庭木、生垣、飯びつ

価格・・・☆☆☆☆?

  • 無節材(2000x210x34㎜)--/㎥

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・

その他・・・日本特産。江戸時代には木曽五木の一つに指定され保護されていた。サワラの樹名は「さわらか」(=サッパリとした)からきている。変種としてオウゴンシノブヒバ(別名、日光ヒバ)、ヒヨクヒバなど葉の美しい園芸品種がある。台湾のベニヒ(紅檜)も類似種である。

  • 【その他色調等】: ヒノキに比べ光沢や香気がない。斑の模様不明瞭。年輪はややわかる程度。
  • 【その他性質等】: 水湿によく耐える。ヒノキから香りと光沢を抜いた様な感じの材質をしていて、ヒノキよりかなり劣る。脂壷(やにつぼ)が見られる。
  • 【その他加工等】: 割れやすい。
  • 【立木での性質等】:樹高は30~35m、樹径1.0mに達する。葉は細く、裏面の白斑がX字(もしくはV字)形で、ヒノキのY字形と区別できる。木曾谷、伊那谷、赤石山系の千頭(長野県)、水窪(みさくぼ)(静岡県)、秩父(埼玉県)、塩原(栃木県)、飛騨(岐阜県)七宗(ひちそう)山の山岳周辺の渓流沿いに純林の形成が見られる。

*1:「花柏」とも書くようです。こう書いて「さわら」と読むのかどうかは不明です。

サワグルミ

Sawagurumi Sawagurumi2

名称・・・沢胡桃(Japanese wingnut)

その他呼び名・・・川胡桃(カワグルミ)、藤胡桃(フジグルミ)、ヤス、山桐(ヤマギリ)(*1)、コグルミ、(*2)

科目・・・クルミ科サワグルミ(Pterocarya)属・落葉広葉樹・散孔材・離弁花類(被子植物)

学名・・・Pterocarya rhoifolia Sieb. et Zucc.

産地・・・北海道南部から本州、四国、九州に分布。

色調・・・心材は淡い黄白色。辺材も淡い黄白色。

性質・・・木理:やや通直~交錯、辺心材の境目:不明瞭、肌目:やや粗~粗、硬さ:軟、腐食耐久性(耐朽性):弱~極弱、磨耗耐久性:弱

  • 気乾比重: 0.30~0.45(平均値)~0.64
  • 平均収縮率%(柾目方向): 0.14
  • 平均収縮率%(板目方向): 0.30
  • 曲げ強度MPa:83
  • 圧縮強度MPa:41
  • せん断強度MPa:11.8
  • 曲げヤング係数GPa:10.8

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):容易~注意、鉋掛(カンナガケ):容易~やや困難、釘打保持力:弱、糊付接着性:良好~中、乾燥:容易、塗装性:中~高

用途・・・家具、建具
下駄材、マッチの軸木、器具材、経木、抽斗(ひきだし)側板、パルプ、細工物

価格・・・☆☆?

  • 無節材(2000x210x34㎜)--/㎥

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・

その他・・・桐材に似ることから「山桐」と称することもある(*1)。樹皮は皮箕(かわみ)と言い山小屋等の屋根葺きに使われる(*3)。家具の抽斗(ひきだし)側板には板幅を接いで幅広材にして家具メーカーに供給されている。

  • 【その他色調等】: 材面に変色や腐朽が入りやすい。斑の模様不鮮明。年輪はあまりはっきりとしていない。道管の直径がかなり大きい為、肌目は粗くなる。
  • 【その他性質等】: 桐に次いで軽い。割れやすい欠点がある。
  • 【その他加工等】: 鉋(かんな)の刃切れはあまり良くなく、毟(むし)れが出やすい為、表面の仕上がりはあまり良くない。
  • 【立木での性質等】:主に、山中の谷間、沢沿いの湿地帯に群生する。樹高約20m、樹径1.0mになる。あまり大径木にはならない。樹幹は直状で枝下が長く利用部分が多いが、枝は良く出たがり、比較的枝が太くなる。蓄積量は少ない。

*1:ヤマギリというと一般にはウコギ科のセンを指すと思います。ただ、キリの代用で下駄材として使われるサワグルミなどをヤマギリと俗称するようです。
*2:その他の呼び名で、寿香木と呼ぶこともあるようです。
*3:また樹皮(内皮)は寿光皮とも言い、樹皮の外側の皮を除去して柔らかくし、巻き合わせて作ったお盆は美しく耐久性のある名品らしいです。

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