C.造作材

ハルニレ

Harunire Harunire2

名称・・・春楡(Japanese elm)

その他呼び名・・・アカダモ、コブニレ、エルム、ニレ(*1)

科目・・・ニレ科ニレ(Ulmus)属・落葉広葉樹・環孔材・離弁花類(被子植物)

学名・・・Ulmus davidiana var. japonica  (Rehder) Nakai

産地・・・北海道、本州、四国、九州と広いが、大部分は北海道に産する。また、樺太(サハリン)、千島、朝鮮、中国、シベリアなど広域に生育する。

色調・・・心材は淡褐色、暗赤褐色、暗褐色。辺材は黄白色、淡灰白色。

性質・・・木理:ほぼ通直、辺心材の境目:明瞭、肌目:粗、硬さ:硬、腐食耐久性(耐朽性):弱~強、磨耗耐久性:弱

  • 気乾比重:0.42~0.63(平均値)~0.71
  • 平均収縮率%(柾目方向):0.22
  • 平均収縮率%(板目方向):0.42
  • 曲げ強度MPa:78
  • 圧縮強度MPa:39
  • せん断強度MPa:8.8
  • 曲げヤング係数GPa:7.8

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):やや困難、鉋掛(カンナガケ):やや困難、釘打保持力:強、糊付接着性:良好~中、乾燥:困難、塗装性:中

用途・・・造作材、建具、家具、合板
器具材、車両材、枕木、彫刻

価格・・・☆☆?

  • 無節材(2000x210x34㎜)--/㎥

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・

  • 平割:34㎜、60㎜

その他・・・一般に言うニレは、ニレ科の樹木の総称で、「ハルニレ」のほか「アキニレ」「オヒョウ」(*2)などがある。(*1)

  • 【その他色調等】:木目は明瞭で美しい。コブや根に近い箇所(バール)には特に美しい杢が出る。斑の模様は繊細美麗。タモを赤くして油気を抜いたような木目の為、アカダモとも呼ばれる。
  • 【その他性質等】:やや重硬。ねばりがあり、曲木に適する。割裂は困難。凍裂やカボチャ状になる欠点が多い樹種で、平均して原木が太い割には幅広材が採れない。
  • 【その他加工等】:表面の仕上がりはあまり良くない。人工乾燥によって狂いの出ることが多い。
  • 【立木での性質等】:樹高25~30m、樹径1.2mにも達する。北海道では大径木が産出され、北海道の広葉樹の中で量的に多い部類に入る。東北地方の山岳の渓流沿いの肥沃地にも大木が見られる。

*1:ニレというと、一般にはハルニレを指す事の方が多いようです。
*2:オヒョウは木材自体よりも樹皮の方が有名で、強靭な繊維がアイヌ民族衣装の厚司(あつし)や縄にされます。材質は狂いやすい木で嫌われています。

ネズコ

Nezuko Nezuko2

名称・・・鼠子(Japanese red cedar)

その他呼び名・・・黒檜(黒部)(クロベ)、クロビ、イヌビ(関東での呼び名)、ゴロウヒバ、クロベスギ

科目・・・ヒノキ科クロベ(Thuja)属・常緑針葉樹・裸子植物

学名・・・Thuja standishii (Gordon) Carr.

産地・・・本州北部から中部、中国、四国地方に分布。多くは、中部の山地に生える。特に木曽谷周辺、隠岐島、紀伊半島中部、伊豆半島、房総半島等の山地。

色調・・・心材は黄褐色、くすんだ黄褐色、褐色、灰褐色。辺材は狭く、黄白色、白色。

性質・・・木理:通直、辺心材の境目:明瞭、肌目:緻密、硬さ:軟、腐食耐久性(耐朽性):中庸~強、磨耗耐久性:弱

  • 気乾比重:0.30~0.36(平均値)~0.42
  • 平均収縮率%(柾目方向):0.10
  • 平均収縮率%(板目方向):0.19
  • 曲げ強度MPa:49
  • 圧縮強度MPa:29
  • せん断強度MPa:5.4
  • 曲げヤング係数GPa:6.9

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):容易、鉋掛(カンナガケ):容易、釘打保持力:弱、糊付接着性:良好、乾燥:容易、塗装性:高

用途・・・建具、家具
天井材、障子、戸、和机、器具材、下駄、曲物、指物

価格・・・☆☆?

  • 無節材(2000x210x34㎜)--/㎥

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・

その他・・・日本特産。木曾五木の一つ。昔は樹皮を火縄に用いた。ネズコの名前は、材色が鼠色であることから。同じ属にアメリカ産のベイスギがある。

  • 【その他色調等】:時間が経つと黒ずんでくる。斑の模様不明瞭。早材から晩材への移行がかなり急なため、年輪ははっきりと見える。年輪幅は狭い。
  • 【その他性質等】:軽軟な材で、割れやすい。スギと同様に芳香を放つ。木曽谷周辺以外の木は大変枝振りが良い樹形ため、節が多く利用用途が少ない。
  • 【その他加工等】:加工性は良いが、加工の時に細かい粉をふいたようになり易く、表面仕上げはあまり良好でない。
  • 【立木での性質等】:樹高約30m、樹径0.8m程度。往々にしてねじれが出やすく、分枝も割合と低い部分からたくさん出る性質がある。樹皮は赤褐色で、鱗片状に剥がれる。植林されてなく、天然木のため木材としての生産量は少ない。ヒノキやサワラと混生し、他にアスナロやコメツガと混生している所もある。ヒノキやサワラに比べ寒地に良く耐え、やせ尾根や岩の間でも良く育つタフな木である。

ツガ

Tsuga Tsuga2

名称・・・栂(Japanese hemlock)

その他呼び名・・・トガ、本栂(ホンツガ)、ツガマツ(トガマツ)

科目・・・マツ科ツガ(Tsuga)属・常緑針葉樹・裸子植物

学名・・・Tsuga sieboldii Carr.

産地・・・本州南部から四国、九州を経て屋久島まで分布。北限は福島県八溝山周辺。特に高知県、和歌山県方面から天然の良質材が産出される。

色調・・・心材は淡褐色、淡黄色。辺材は淡色、帯褐色白色、淡黄色。

性質・・・木理:おおむね通直、辺心材の境目:(明瞭~)不明瞭、肌目:粗、硬さ:中~硬、腐食耐久性(耐朽性):弱~中、磨耗耐久性:強

  • 気乾比重:0.45~0.50(平均値)~0.60
  • 平均収縮率%(柾目方向):0.17
  • 平均収縮率%(板目方向):0.30
  • 曲げ強度MPa:74
  • 圧縮強度MPa:44
  • せん断強度MPa:8.8
  • 曲げヤング係数GPa:7.8

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):容易(*1)、鉋掛(カンナガケ):容易(*1)、釘打保持力:強、糊付接着性:良好~中、乾燥:容易~やや困難、塗装性:高

用途・・・構造材、造作材
柱、土台、長押、鴨居、敷居、器具材、梱包材、パルプ材、車両、枕木

価格・・・☆?

  • 無節材(2000x210x34㎜)--/㎥

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・

その他・・・近年は伐採もわずかな為、木材として目に触れることは、非常に少ないと言える(*2)。近縁種の同属に日本産のコメツガ(Tsuga diversifolia )や北米産のカナダツガなどがある。関西地方ではツガの土台と柱で作った家屋は最高のものとして、高い評価を受けている。また、床の間廻りに関西で多用されている。樹皮から得られるタンニンは、漁網の染料にも用いられる。徳川時代の礼服として着用された裃(かみしも)の中に入れて使う腰板は信州産のツガ材に限ると言われていた。

  • 【その他色調等】:光沢を持つ。斑の模様不明瞭。小口や柾目から見て、年輪が大変はっきりしている。天然のツガの成長は一般にゆっくりしているため、年輪の幅が狭く、製材品の材面はいわゆる糸柾になっている。年輪の濃い色の部分は夏に育った夏材部、白い部分が春に育った春材部といい、その変化はツガ属特有のもの。
  • 【その他性質等】:木質は針葉樹の中では重硬。鼠にかじられる被害が少ない材質の為、土台や柱に賞用される。割裂性は大きい。狂いやすい。樹脂分成分が多く、脂条(やにすじ)も出やすい。
  • 【その他加工等】:ツガを鉋(かんな)で削ると、材面に白い粉が筋状に見えることがある。かつてはこれを鉱物質の結晶のためとされてきたが、近年になってフロコソイドという有機物質であることがわかった。
  • 【立木での性質等】:樹高30m、樹径1.0mの大木も稀ではない。幹はおよそまっすぐだが、先細りで多少曲がっていたりする。標高が400~1,600m位の乾燥した尾根筋や急斜面を好んで繁殖する。モミとの混生が普通で、ブナ、ミズナラなどの落葉広葉樹やヒノキ、カヤなどの針葉樹、カシ類などの常緑樹としばしば混生して現れる。雪の多い裏日本にはほとんどなく、表日本側に偏る。

*1:加工性にやや難があるとも言われます。針葉樹の中では硬い部類に入ることが理由でしょうか。
*2:ツガの名前で日本で良く使われているものは、正確には北米産のベイツガのことです。

タブノキ

Tabunoki Tabunoki2

名称・・・椨の木(Red laurel)

その他呼び名・・・犬楠(イヌグス)、タマグス、タブ、ダマ、ダモ、クスダモ、アカタブ、シロタブ、(*1)

科目・・・クスノキ科タブノキ(Machilus)属・常緑広葉樹・散孔材・離弁花類(被子植物)

学名・・・Machilus thunbergii  Sieb. et Zucc.
シノニム:Persera thunbergii  Kosterm.

産地・・・本州南部から四国、九州、沖縄に自生、瀬戸内海地方には生育していない。朝鮮中南部や台湾、中国にも分布。

色調・・・心材は紅褐色、帯黄紅褐色。辺材は灰白色、淡褐灰白色、淡黄褐色。

性質・・・木理:やや交錯~交錯、辺心材の境目:明瞭(~不明瞭)、肌目:粗、硬さ:軟~硬、腐食耐久性(耐朽性):中~強、磨耗耐久性:強

  • 気乾比重: 0.50~0.65(平均値)~0.77
  • 平均収縮率%(柾目方向):0.17
  • 平均収縮率%(板目方向):0.36
  • 曲げ強度MPa:69
  • 圧縮強度MPa:39
  • せん断強度MPa:11.8
  • 曲げヤング係数GPa:8.8

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):中~やや困難、鉋掛(カンナガケ):中~やや困難、釘打保持力:強、糊付接着性:不良、乾燥:中~困難、塗装性:中

用途・・・造作材、家具、合板
器具材、床板、枕木、木魚

価格・・・☆☆?

  • 無節材(2000x210x34㎜)--/㎥

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・

その他・・・用途はクスノキと同じ。樹皮はタンニンを含み黄褐色の染料にもする。線香材料の杉粉を固める粘質材として椨粉(タブノキの樹皮から採る)が使われる。

  • 【その他色調等】: 斑の模様不鮮明。如鱗杢(じょりんもく)や玉杢の出やすい木で、瘤杢(こぶもく)は美欄(びらん)とか舞葡萄(まいぶどう)と賞されて、花台などの装飾品に使われ人気がある。小口面の年輪はおおむね明瞭だが、柾目・板目面ではやや不明瞭。材の赤みが強いものをアカタブ、赤みが少ないものをシロタブと呼ぶ。
  • 【その他性質等】: アカタブの方がシロタブよりも良質材とされる。割裂性は小さい。
  • 【その他加工等】:仕上がりは中程度。
  • 【立木での性質等】:主に、暖地の海岸地方に生え、樹高15~20m、樹径1.0mに達する。

*1:中国名では「楠」みたいです。

タウン

Taun Taun2

名称・・・タウン(Taun)

その他呼び名・・・マトア、カサイ、マルガイ、ソロモンマホガニー、ニューギニアマホガニー、蕃竜眼(バンリュウガン)

科目・・・ムクロジ科ポメティア(Pometia)属・常緑広葉樹・散孔材・離弁花類(被子植物)

学名・・・Pometia pinnata Forst.

産地・・・台湾、スリランカを含む東南アジアからパプアニューギニア、ソロモン諸島を経てサモアに分布。

色調・・・心材は桃褐色から濃赤褐色。辺材は淡い褐色から赤褐色、灰白色。

性質・・・木理:通直ないし、やや交錯、辺心材の境目:やや明瞭~明瞭、肌目:やや粗~粗、硬さ:硬、腐食耐久性(耐朽性):中~強、磨耗耐久性:強

  • 気乾比重: 0.58~0.79
  • 平均収縮率%(柾目方向):0.21
  • 平均収縮率%(板目方向):0.27
  • 曲げ強度MPa:101
  • 圧縮強度MPa:44
  • せん断強度MPa:11.3
  • 曲げヤング係数GPa:12.3

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):容易~やや困難、鉋掛(カンナガケ):容易~注意、釘打保持力:強、糊付接着性:良好~中、乾燥:困難、塗装性:中

用途・・・造作材、家具、合板
床板、キャビネット、椅子・テーブルなどの脚物家具、屋内用構造材

価格・・・☆?

  • 無節材(2000x210x34㎜)--/㎥

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・

  • 平割:34㎜

その他・・・およそ3樹種あるが、材質が似ているため一括してタウンと呼ばれている。但し今では樹種は1種で、材質の違いは環境などの因子によるものと考えられている。「タウン」はパプアニューギニアからソロモンでの呼び名。インドネシアのカリマンタン方面では「マトア」と呼ぶ。日本への入荷はパプアニューギニアやソロモン諸島からが多い。メランチなどのように大量には得られない。日本の家具工業は、かつて大量のブナを材料として使ってきていたが、ブナの枯渇に伴ってその代替として、このタウンが取り上げられるようになった。また腐食や磨耗に強いことや、木目や色調が似ていることからマホガニーの代替材としても使われる。

  • 【その他色調等】:斑の模様不鮮明。独特の光沢を有し、時に柾目面にリボン杢が現れる。
  • 【その他性質等】:一般に、丸太の形が悪いことが多い。マトアの材質はタウンより少し柔らかく、疎で波状木理もあまりない。
  • 【その他加工等】:表面の仕上がりは良好。釘を打ち込んだ際に損傷が出易いため、工夫が必要。乾燥時に反りや落ち込みが出やすい。
  • 【立木での性質等】:樹高30~40m、樹径0.7~0.8m。

セプター

Seputa_2 Seputa2_2

名称・・・セプター(Sepetir)

その他呼び名・・・セペチール、セペティア、スーパ(フィリピンでの呼び名)、シンドラ(シンドール)(インドネシアでの呼び名)、セプターパヤ(セペチールパヤ)

科目・・・マメ科シンドラ(Sindora)属、プセウドシンドラ(Pseudosindora)属・広葉樹・散孔材・離弁花類(被子植物)

学名・・・Sindora spp. (Sindora coriacea Prain.などを含む)(*1)、
Pseudosindora palustris Sym.

産地・・・マレーシア、インドネシア、フィリピン、ブルネイ、タイ、カンボジアなどに分布。

色調・・・心材は紅色を帯びた褐色から黄褐色、桃色を帯びるものから濃い赤褐色になるものまである。辺材は麦藁(むぎわら)色。

性質・・・木理:通直~浅く交錯、辺心材の境目:やや不明瞭~明瞭、肌目:やや緻密~やや粗、硬さ:やや硬~硬、腐食耐久性(耐朽性):中~強、磨耗耐久性:強

  • 気乾比重:0.57~0.76(*2)
  • 平均収縮率%(柾目方向):0.13
  • 平均収縮率%(板目方向): 0.26
  • 曲げ強度MPa:91
  • 圧縮強度MPa:46
  • せん断強度MPa:13.5
  • 曲げヤング係数GPa:14.4

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):中~やや困難、鉋掛(カンナガケ):中~やや困難、釘打保持力:弱、糊付接着性:良好~中、乾燥:中~困難、塗装性:中

用途・・・造作材、建具、家具、合板
床柱、フローリング、内装材、装飾用材、突き板、トラックのボディ、銃床

価格・・・☆?

  • 無節材(2000x210x34㎜)--/㎥

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・

その他・・・Sindora属はマレーシア、タイ、カンボジア、フィリピン(スマトラ島、ボルネオ島、スラウェシ島、ジャワ島)などに分布していて、約20種が知られている。Pseudosindora属の場合は1種がマレーシアのサラワク州の海岸に近い地域に分布しているのみである。Sindora属とPseudosindora属(セプターパヤ)は良く似ているが、Sindora属の木材には軸方向細胞間道(樹脂道)があり、それが同心円状に配列しており、一方Pseudosindora属は軸方向細胞間道(樹脂道)を持たないので区別できる。両者ともセプターと呼ばれて、同類の木材として取り扱われることが多い。

  • 【その他色調等】:樹種によっては、濃色の縞があり美しい材面を持つことがある。また樹種によって心材の色が違っている。木目はつんで綺麗だが交差木目が細かくある。斑の模様不明瞭。生材の美しい木目は空気に触れると黒ずんでくる。わずかに光沢を有し、リボン杢も現れる。
  • 【その他性質等】:材面に油性の感触がある。 強度はヒッコリーと同等。樹脂道があるこどで、一般に横断面にヤニが滲み出ていて、濃色のしみになっている。保存性は樹種により差があり、濃色で重硬なものほど高いとされている。広い辺材を持つ。
  • 【その他加工等】:人工乾燥は容易だが、時間をかけてゆっくり乾燥させないと木口に割れが生じやすい。釘打ちによっても割れやすい。切削時、木に含まれるゴム質が絡み刃物の切れ味を損ねる。表面の仕上がりは良好。
  • 【立木での性質等】:樹高30~45m、樹径1.2m。幹は通直で円筒状をなし、著しい根張りはない。

*1:その他Sindora affinisSindora echinocalyxSindora parvifoliaSindora siamensisSindora velutinaCopaifera palustrisCopaifera spp. 等もセプターと呼ばれるようです。
*2:Sindura spp.の値。樹種により幅があり、0.83(Sindura supa Merr. )、0.64~0.72(セプター、パヤ)などの数値もあるようです。

サワラ

Sawara Sawara2

名称・・・椹(*1)(Sawara cypress、Sawara cedar)

その他呼び名・・・

科目・・・ヒノキ科ヒノキ(Chamaecyparis)属・常緑針葉樹・裸子植物

学名・・・Chamaecyparis pisifera Endl.

産地・・・本州北部から中部、中国地方を経て九州に至る。長野県木曾地方、岐阜県飛騨地方などの本州中部の山岳地帯に多い。

色調・・・心材はくすんだ黄褐色、帯黄淡褐色、紅色を帯びた黄褐色。辺材は白色、黄白色。

性質・・・木理:通直、辺心材の境目:明瞭、肌目:緻密(~ヒノキと比べるとやや粗)、硬さ:軟~中、腐食耐久性(耐朽性):中~強、磨耗耐久性:中

  • 気乾比重: 0.28~0.34(平均値)~0.40
  • 平均収縮率%(柾目方向): 0.09
  • 平均収縮率%(板目方向): 0.22
  • 曲げ強度MPa:54
  • 圧縮強度MPa:32
  • せん断強度MPa:4.9
  • 曲げヤング係数GPa:5.9

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):容易、鉋掛(カンナガケ):容易、釘打保持力:弱、糊付接着性:良好、乾燥:容易、塗装性:中

用途・・・造作材、建具、家具
器具材、桶、障子・襖(ふすま)の組子の材、庭木、生垣、飯びつ

価格・・・☆☆☆☆?

  • 無節材(2000x210x34㎜)--/㎥

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・

その他・・・日本特産。江戸時代には木曽五木の一つに指定され保護されていた。サワラの樹名は「さわらか」(=サッパリとした)からきている。変種としてオウゴンシノブヒバ(別名、日光ヒバ)、ヒヨクヒバなど葉の美しい園芸品種がある。台湾のベニヒ(紅檜)も類似種である。

  • 【その他色調等】: ヒノキに比べ光沢や香気がない。斑の模様不明瞭。年輪はややわかる程度。
  • 【その他性質等】: 水湿によく耐える。ヒノキから香りと光沢を抜いた様な感じの材質をしていて、ヒノキよりかなり劣る。脂壷(やにつぼ)が見られる。
  • 【その他加工等】: 割れやすい。
  • 【立木での性質等】:樹高は30~35m、樹径1.0mに達する。葉は細く、裏面の白斑がX字(もしくはV字)形で、ヒノキのY字形と区別できる。木曾谷、伊那谷、赤石山系の千頭(長野県)、水窪(みさくぼ)(静岡県)、秩父(埼玉県)、塩原(栃木県)、飛騨(岐阜県)七宗(ひちそう)山の山岳周辺の渓流沿いに純林の形成が見られる。

*1:「花柏」とも書くようです。こう書いて「さわら」と読むのかどうかは不明です。

サペリ

Saperi Saperi2

名称・・・サペリ(Sapelli、Sapele)

その他呼び名・・・サペレ、サペリマホガニー、サペリウッド、ゴールドコーストシーダー(*1)

科目・・・センダン科エンタンドロフラグマ(Entandrophragma)属・落葉広葉樹・環孔材(*1)・離弁花類(被子植物)

学名・・・Entandrophragma cylindricum Sprague

産地・・・西アフリカ、中央アフリカ、ガーナ、ナイジェリアなど熱帯降雨林一帯。シエラレオネからコートジボワール、カメルーン、コンゴを通ってウガンダまで分布。

色調・・・心材は初め桃色、淡紅色を呈すが、時間の経過とともに赤褐色から紫褐色に変化、暗桃褐色。辺材は淡い黄白色、灰白色、白色。

性質・・・木理:交錯、辺心材の境目:明瞭、肌目:緻密(~粗)、硬さ:やや硬~硬、腐食耐久性(耐朽性):中~強、磨耗耐久性:強

  • 気乾比重: 0.64~0.68
  • 平均収縮率%(柾目方向):0.19
  • 平均収縮率%(板目方向):0.29
  • 曲げ強度MPa:158
  • 圧縮強度MPa:75
  • せん断強度MPa:7.4*
  • 曲げヤング係数GPa:13.8

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):容易~やや困難、鉋掛(カンナガケ):やや困難、釘打保持力:強、糊付接着性:中~良好、乾燥:困難、塗装性:中~高

用途・・・造作材、建具、家具
床材、壁パネル、内装材、突き板、楽器、化粧合板、造船、指物

価格・・・☆☆☆?

  • 無節材(2000x210x34㎜)--/㎥

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・

  • 平割:34㎜、45㎜

その他・・・マホガニーに似ることから、その代用として使われる。

  • 【その他色調等】:心材の色はいわゆるマホガニー色。柾目面には、柔組織の帯が規則正しく配列した、美しいリボン杢が現れる。斑の模様不明瞭。白太の部分は割りと厚い。表面仕上は中~良好。仕上り面は美しく出来る。材面に光沢がある。
  • 【その他性質等】:ピンホールが出やすい。板目取りした場合、曲りや割れが出やすいので、柾目取りすること。
  • 【その他加工等】:両逆目部分は鉋掛けがやや困難。乾燥時に狂いやすく長時間を要するが、乾燥後の狂いは少ない。
  • 【立木での性質等】:樹高約30m、樹径約1.5mに達する大木。

*1:ゴールドコーストシーダーと呼ぶ事もあるようですが、そう呼んでいる資料は少ないです。
*2:散孔材とする資料もありました。

コウヤマキ

Koyamaki Kouyamaki2

名称・・・高野槙(Japanese umbrella pine)

その他呼び名・・・本槙(ホンマキ)、槙(マキ)(*1)、クサマキ(*2)、金松(キンマツ)(*3)

科目・・・コウヤマキ科(*4)コウヤマキ(Sciadopitys)属・常緑針葉樹・裸子植物

学名・・・Sciadopitys verticillata Sieb. et Zucc.

産地・・・本州中部から四国、九州の山地に自生。木曾と高野山に特に多い。

色調・・・心材は淡い黄褐色~淡い黄色。辺材は白色、乳白色。

性質・・・木理:通直、辺心材の境目:不明瞭~明瞭、肌目:緻密、硬さ:中庸、腐食耐久性(耐朽性):中~強、磨耗耐久性:弱

  • 気乾比重: 0.35~0.42(平均値)~0.50
  • 平均収縮率%(柾目方向):0.13
  • 平均収縮率%(板目方向): 0.23
  • 曲げ強度MPa:74
  • 圧縮強度MPa:30
  • せん断強度MPa:5.9
  • 曲げヤング係数GPa:7.8

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):容易、鉋掛(カンナガケ):容易~中、釘打保持力:弱、糊付接着性:良好、乾燥:容易、塗装性:中

用途・・・造作材
天井板、板類、器具材、枕木、土木材、船舶材、風呂桶、流し板、碁盤、飯櫃(めしびつ)、細工物、庭園樹、防火樹、古墳時代には棺材

価格・・・☆☆?

  • 無節材(2000x210x34㎜)--/㎥

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・

その他・・・日本の特産種。現在は非常に少なくなっていて、材として一般に目にすることは少ない。一属一種。紀州の高野山の木が特に有名であった為、高野槙と名付けられた。日本の木の中でも特に良い品質の木という意味で呼ばれる「木曾五木」(*5)のひとつ。また世界の三大庭園樹は、ヒマラヤシーダー(ヒマラヤスギ)とアロウカリア(ナンヨウスギ)およびコウヤマキと言われている。樹皮は槙肌(まきはだ)と呼ばれて和船、桶などの隙間に充填材として使われていた。

  • 【その他色調等】: 辺材は狭い。年輪幅も一般に狭い。光沢がない。斑の模様不明瞭。年輪が波状になっていることもある。
  • 【その他性質等】: 材の保存性は中程度だが、水湿には良く耐える。割裂性は大きい。脂気がやや多く、材には脂臭い特有の匂いがある。
  • 【その他加工等】:仕上がりは中庸。
  • 【立木での性質等】:樹高20~30m、樹径0.6~0.8m。全体的に蓄積量は少ない。春開花し、マツカサに似た球果をつける。成長が極めて遅く、植林には不適とされている。

*1:マキと言うと、「真木」とも書いて木材として優れたスギやヒノキの総称としても使われます。また、マキ科のイヌマキやラカンマキを指す事もあります。
*2:クサマキと言うと、コウヤマキよりマキ科のイヌマキを指す事が多いかもしれません。また、方言によってはヒバを指したりもするようです。漢字も「草槙」や「臭槙」などあって、非常にあいまいです。
*3:「金松」の字は中国特産のイヌカラマツを指す事もあるようです。
*4:以前はスギ科に含まれていましたが、コウヤマキ科として独立したようです。
*5:木曾五木とは、木曾檜、椹(サワラ)、翌檜(アスナロ)、鼠子(ネズコ)、高野槙の五つです。

クスノキ

Kusunoki Kusunoki2

名称・・・樟(楠(*1))(Camphor wood、Camphor tree)

その他呼び名・・・クス、アオグス、イシグス、ナンジャモンジャ(ナンジャモンジャノキ)(*2)

科目・・・クスノキ科クスノキ(Cinnamomum)属(*3)・常緑広葉樹・散孔材・離弁花類(被子植物)

学名・・・Cinnamomum camphora (L.) Presl

産地・・・本州(関東以南)、四国、九州などの暖地、特に海岸に多い。台湾、中国、済州島にも分布。

色調・・・心材は帯黄紅褐色、黄褐色、紅褐色~部分的に暗緑を帯びた褐色。辺材は淡黄白色、灰白色~淡黄褐色。

性質・・・木理:交錯、辺心材の境目:明瞭(なだらか)~やや不明瞭、肌目:(緻密~)やや粗、硬さ:やや軟~中庸、腐食耐久性(耐朽性):(弱~)強、磨耗耐久性:中

  • 気乾比重:0.41~0.52(平均値)~0.69
  • 平均収縮率%(柾目方向):0.13
  • 平均収縮率%(板目方向):0.25
  • 曲げ強度MPa:69
  • 圧縮強度MPa:39
  • せん断強度MPa:9.8
  • 曲げヤング係数GPa:8.8

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):容易~やや困難、鉋掛(カンナガケ):容易~やや困難、釘打保持力:強、糊付接着性:良好~注意、乾燥:中~やや困難、塗装性:中

用途・・・造作材、建具、家具
欄間、床柱、仏壇、彫刻用材、タンスの引き出し、衣装箱、器具、楽器、木象嵌、木魚、庭園樹、街路樹、古代には丸木舟

価格・・・☆☆☆?

  • 無節材(2000x210x34㎜)--/㎥

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・

  • 平割:34㎜、45㎜

その他・・・「楠(*1)」は南国から渡来した木を意味する。材や葉から樟脳(しょうのう)が採取される。

  • 【その他色調等】:心材の色はどちらかといえば不安定。材はくすんだように見えることもあるが、根瘤(こんりゅう)が付きやすく時に玉杢や葡萄杢などの美しい杢が出ることもある。斑の模様不鮮明。年輪ははっきりしている。仕上りは中庸。
  • 【その他性質等】:耐湿性に優れる。材のままでも芳香が強く、虫害を防ぐ効果がある。
  • 【その他加工等】:乾燥時に狂いが出やすい。加工は容易だが、逆目を起こし易い。
  • 【立木での性質等】:樹高は20m以上、樹径2.0mに達する。成長が早い上に長命。鹿児島県、熊本県、宮崎県には天然記念物の指定を受けている大木がある。特に鹿児島県の「蒲生(かもう)のクス」は有名で目通り周囲約24m、樹高30m、推定寿命850年。

*1:一般的に「楠」の字はクスノキと読みますが、本来は中国のタブノキを指す字で、タブノキと読む事があるようです。
*2:見慣れない立派な樹木に対して地元の人々が付けた愛称のようなもので、モクセイ科のヒトツバタゴもこう呼ばれるようです。
*3:和名をニッケイ属と呼ぶ事もあります。

より以前の記事一覧